睡眠は人間が生きていくうえで必要不可欠なことです。
しかし、充実した睡眠を取れている方は意外に少ないようです。中には睡眠中の障害(睡眠時無呼吸症候群)によって、どれだけ寝ても疲れが取れない、睡眠時間は足りていても日中眠くなるなどの症状が現れ、日常生活や健康に支障をきたしている場合もあります。
ご自身の身体を知り、快適な睡眠を手に入れましょう!
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まったり(無呼吸)、喉の空気の流れが弱くなった状態(低呼吸)が1時間に何回も起こる状態のことで、呼吸ができない状態が熟睡を妨げ、ひどい場合は昼間に突然意識を失うように眠ってしまうことがあり、日中の仕事や車の運転など日常生活に支障をきたしてしまいます。
英語では S leep A pnea S yndrome(SAS)と言われています。
一般的に1時間に、10秒以上の無呼吸(もしくは低呼吸)が5回以上ある、または一晩7時間の睡眠中に30回以上現れるとSASと診断されます。
SASの原因
以前は、SASは肥満が原因と考えられてきましたが、最近では、全体の約3割の方は肥満以外の原因でSASになっています。これには日本人特有の顔、特に顎の形が関係していると言われています。
原因には
- 肥満による首部分の脂肪の増加
- 首が太くて短い人
- 扁桃肥大
- 鼻の通りが悪い
- 舌が大きく気道をふさいでしまう
- 顎が小さい(小顎症)
などがあげられます。
SASの症状
- 大きいいびき
- SASではいびきを伴うことが多く、特に無呼吸から呼吸が再開するときに大きないびきが起こります。
- 日中の眠気
- 正常な方に比べて、深い睡眠がとりにくくなります。脳にも十分な酸素が供給されていないので、寝ているつもりでも実は脳が起きている状態になっています。そのため、熟睡感が得られず、昼間の眠気につながります。
- 起床時の頭痛
- 脳を十分に休ませられなかったことが原因で、起床時に頭痛のある場合があります。
- 集中力・記憶力の低下
- 頭と身体をバランスよくしっかり休めることができないと、日中の集中力や作業効率の低下につながります。
- 夜間のトイレ回数が多い
- 通常、寝ているときは副交感神経が優位になりますが、無呼吸状態により脳が起きている状態になると、交感神経が優位になっています。交感神経が興奮していると、体では尿が作られます。そのため、夜間でもトイレに行く回数が増えるのです。
- インポテンツ(ED)
- 睡眠中の無呼吸により脳が起きている状態(覚醒反応)や、レム睡眠の不足がEDの原因になると言われています。
SASの治療
睡眠時無呼吸症候群の治療には、「生活習慣改善」と「内科的治療」「外科的治療」「歯科装具」などがあります。
睡眠時無呼吸症候群ではその半数以上が肥満を伴っています。肥満のある方は減量にも心がけましょう。また、生活習慣にも気をつけるようにしましょう。
睡眠時無呼吸症候群の疑いのある方はお気軽にご来院ご相談ください。また、ご家族に気になる症状の方がいらっしゃいましたら、ご相談くださいませ。
初診時はなるべくお電話でのご予約をお願いいたします。