高血圧症
高血圧症は、血管にかかる圧力が慢性的に高くなっている状態を指す生活習慣病の一つです。自覚症状がほとんど現れないまま血管に負担をかけ続けるため、気づかないうちに動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる重大な病気を引き起こすことがあります。健康診断などで血圧の数値を指摘された際は、自覚症状がないからと放置せず、早めに適切な検査と治療を受けることが健康を守る第一歩となります。
当院は、さいたま市浦和区北浦和の地で三代にわたり地域の皆さまの健康を支えてまいりました。高血圧症をはじめとする循環器疾患の管理に力を入れ、患者さん一人ひとりの生活リズムや年齢に合わせた丁寧な診療を行っています。健康診断で血圧の高さを指摘された方や、日頃の体調に不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
高血圧症とはどのような病気ですか?
高血圧症とは、安静時の血圧が基準値よりも慢性的に高い状態が続いている病気のことです。心臓が血液を全身に送り出す際の圧力が強くなり続けることで、全身の血管に常に強い負担がかかり、血管が次第にしなやかさを失って硬くなります。
血圧は運動や緊張、寒さなどでも一時的に上昇しますが、高血圧症は一時的な上昇ではなく、安静時でも常に血管へ高い圧力がかかり続けている点が特徴です。日常的に血圧が高い状態を放置していると、血管の壁が傷ついて「動脈硬化症」のページで解説しているような血管の障害が進んでしまいます。
自覚症状はある?高血圧症で見逃しやすい体のサイン
高血圧症の多くは、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。血圧がかなり高い状態であっても普段通りに生活できることが多く、そのため発見や治療が遅れてしまいがちです。
ただし、血圧が急激に上昇した場合や、高血圧が長く続いて血管への負担が大きくなっている場合には、以下のような不調を感じることがあります。
- 朝起きたときの頭痛や頭の重さ
- めまいや立ちくらみ、ふらつき感
- 肩こりや首筋の張り
- 動悸や息切れ、胸の圧迫感
- 手足のむくみや疲れやすさ
日常の体調変化で気になる症状がある方は、「血圧が高い」のページや「頭痛」のページも合わせてご確認ください。少しでも違和感を覚えたときは早めの受診をおすすめします。
なぜ血圧が上がるのか?高血圧症の主な原因
高血圧症を引き起こす原因は、日々の生活習慣の乱れや遺伝的な体質など、複数の要素が複雑に重なり合っていることが一般的です。特に食事での塩分過多は、体内の水分量を増やして血管内の圧力を高める大きな要因となります。
日頃の生活習慣の中で、血圧の上昇につながりやすい主な要因には以下のようなものがあります。
- 塩分の多い食事や偏った食生活
- 運動不足による血管の柔軟性低下
- 肥満による心臓や血管への過度な負担
- 過度な飲酒や喫煙による血管の収縮
- 精神的なストレスや睡眠不足、生活リズムの乱れ
- 加齢に伴う血管の老化や遺伝的な要因
生活習慣の改善は血圧管理の基本となりますので、まずは日々の生活で改善できるポイントを見つけていくことが大切です。
高血圧症の種類と特徴について
高血圧症は、その発症原因や血圧が上がる時間帯・測定状況によっていくつかの種類に分類されます。ご自身の高血圧のタイプを把握することが、適切な治療方針を決める鍵になります。
本態性高血圧症
本態性高血圧症は、特定の原因となる病気が見当たらず、遺伝的な体質や加齢、塩分摂取過多、肥満、ストレスなどの生活習慣が重なって起こる高血圧です。日本人の高血圧症の大部分がこのタイプに該当します。
二次性高血圧症
二次性高血圧症は、腎臓の病気、ホルモンを分泌する副腎の異常、血管の病気、睡眠時無呼吸症候群など、明確な原因疾患によって血圧が上昇するタイプです。原因となっている病気を治療することで、血圧の改善が期待できます。
白衣高血圧と仮面高血圧
病院や健診会場で測定したときだけ緊張して血圧が高くなる状態を白衣高血圧と呼びます。一方で、医療機関での測定では正常値を示すものの、自宅での測定時や早朝、夜間、職場などで血圧が高くなる状態を仮面高血圧と呼びます。家庭での血圧測定を行うことで、これらの見極めがしやすくなります。
高血圧症を放置するとどうなる?引き起こされる合併症
高血圧症を長期間治療せずに放置していると、常に圧力を受け続けた血管が硬くもろくなり、重大な臓器障害を引き起こします。自覚症状がないからといって放置することは非常に危険です。
高血圧が原因で引き起こされる主な合併症には以下のようなものがあります。
- 脳血管障害・・脳出血や脳梗塞
- 心臓疾患・・「狭心症・心筋梗塞」のページや「心不全」のページにある心疾患
- 腎臓障害・・慢性腎臓病や腎不全
- 血管疾患・・大動脈瘤や閉塞性動脈硬化症
- 眼底出血・・視力低下や視野障害
早期に治療を開始して血圧をコントロールすることが、これらの命に関わる合併症を防ぐために極めて重要です。
高血圧症はどうやって調べる?当院での検査体制
当院では、患者さんの血圧の状態を正確に把握し、隠れた合併症や二次性高血圧の原因がないかを調べるために、充実した検査設備を整えています。心臓や血管の状態を詳しく確認し、総合的な健康状態を評価します。
詳しい検査内容については「各種検査」のページにも掲載しておりますが、主に以下のような検査を実施しています。
- 診察室での血圧測定および家庭血圧の記録確認
- 血液検査・尿検査・・腎機能や血糖値、コレステロール値、ホルモンバランスの確認
- 心電図検査・・心臓への負担や不整脈の有無の確認
- 胸部レントゲン検査・・心臓の拡大や肺のうっ血の有無の確認
- 超音波(エコー)検査・・心臓の動きや頸動脈の動脈硬化の進行度の確認
高血圧症の治療は何から始める?生活習慣の改善とお薬の選択
高血圧症の治療は、生活習慣の改善を基本としながら、必要に応じて血圧を下げるお薬を組み合わせて進めていきます。無理のないペースで血圧を安定した目標値まで下げることが治療の目的です。
生活習慣の見直し
食事療法では、減塩を意識しつつ、野菜や海藻類を積極的に摂取して栄養バランスを整えます。また、適度な有酸素運動を継続して行い、体重のコントロールや禁煙、十分な睡眠と休養をとるよう心がけます。日々の家庭血圧測定と記録も欠かせません。
降圧薬による薬物治療
生活習慣の改善だけでは十分に血圧が下がらない場合や、すでに合併症のリスクが高い場合には、降圧薬による治療を開始します。血管を広げるお薬、余分な塩分と水分を体外に出すお薬、交感神経の緊張を和らげるお薬など、患者さんの年齢や合併症の有無に合わせて適したお薬を選択します。
高血圧症についてのよくある質問
Q1. 症状がなくても血圧のお薬を飲み続けなければいけませんか?
A1. 高血圧症のお薬は血管や心臓を保護し、将来の脳卒中や心筋梗塞を防ぐために服用します。自覚症状がないからと自己判断でお薬を中断すると、急激に血圧が上昇する恐れがありますので、必ず医師にご相談ください。
Q2. 血圧のお薬は一度飲み始めたら一生やめられませんか?
A2. 生活習慣の改善によって体重が減ったり、塩分制限がうまくいったりして血圧が安定した場合は、お薬の量を減らしたり中止したりできるケースもあります。医師と相談しながら慎重に判断していきます。
Q3. 自宅での血圧はいつ測るのが良いですか?
A3. 原則として朝と晩の1日2回、決まった時間に測定するのが望ましいです。朝は起床後1時間以内で排尿後かつ朝食や服薬の前、晩は就寝前の安静な状態で測定し、数値を記録してお持ちください。
Q4. 健診で血圧が高いと言われたのですが、すぐに受診すべきですか?
A4. 一度の測定だけで判断せず、まずは家庭での血圧を数日間記録した上で受診されることをおすすめします。当院では「さいたま市検診」のページにある各種健診後の精密検査やご相談にも幅広く対応しております。
院長より
高血圧症は目立った症状がないまま進行するため、つい受診を先延ばしにしてしまう方が少なくありません。しかし、早い段階から血圧を適切に管理しておくことが、10年後や20年後の健康な生活を支える鍵となります。当院では循環器内科の診療体制を整え、患者さんの生活背景に寄り添った治療をご提案しております。初めての方も安心してご相談ください。受診の流れについては「初診の方へ」のページをご覧ください。
